プレスリリース

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2015年08月28日

当社の当期業績予想の前提条件および追加情報のお知らせ

本日、当社は、株式会社東京証券取引所の承認を受け、平成27年9月18日をもって、当社株式の上場市場を東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から東京証券取引所マザーズに変更することとなりました(本日付の開示資料「東京証券取引所における上場市場変更承認に関するお知らせ」をご参照ください)。当社は平成27年8月14日に平成28年6月期の業績予想を公表しておりますが、市場変更にあたって必要な同業績予想の前提条件や、その根拠に対するリスク要因及び過去5期分の連結業績と期初の連結業績予想に関する情報について開示を行うものです。

平成28年6月期の連結業績予想(平成27年7月1日~平成28年6月30日)

(%表示は、通期は対前期、第2四半期は対前年同四半期比増減率)

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期純利益

1株当たり
当期純利益

百万円

百万円

百万円

百万円

円 銭

第2四半期(累計)

2,600

5.8

△70

△100

△115

△6.30

通期

5,790

12.6

100

60

25

1.37

なお、業績予想に関する為替見通しは、1ドル=120円、1ユーロ=130円にて算定しております。

(平成28年6月期業績予想の前提条件)

1. 売上高について

売上高5,790百万円(前年同期比12.6%増)を確保する見通しです。

装置については、売上高3,052百万円(前年同期比3.1%減)を見込んでおります。OEM販売先との過去の取引実績及び取引先情報に基づいたフォーキャスト(事前の購買計画)に基づき作成しております。既存製品は堅調に推移しますが、前期にはエリテックグループから全自動遺伝子診断装置「geneLEAD」に関するOEM契約の締結に伴う手数料収入がありましたが、当期にはそういった売上を見込んでいないため、若干の減収予想といたしました。

平成27年9月より、エリテックグループ向けに「geneLEAD」を市場投入し、臨床診断向け装置の販売拡大を図ります。将来的な当社グループの戦略製品と位置づけておりますが、販売初年度のため多額の売上は見込んでおりません。

試薬・消耗品については、OEM販売先からのフォーキャスト(事前の購買計画)に基づき作成しており、売上高1,967百万円(前年同期比58.9%増)を見込んでおります。具体的には、平成26年11月に試薬製造拠点として「大館試薬センター」が稼働し、アボットグループ向けの装置・プラスチック消耗品に加え、試薬の出荷が開始されておりますが、当期には、装置の稼働に伴い本格的な販売拡大が見込めることによるものです。

2. 売上総利益について

売上高の増加に伴い、売上総利益も2,010百万円(前年同期比10.0%増)への増加を見込んでおります。前述のエリテックグループからの手数料収入を見込んでいないため、利益率については若干の低下を予想しています。

また、売上原価の策定については、既存製品については過年度の実績を基にしており、新規製品については、原材料、人件費及び大館試薬センターの設備償却等を勘案の上で予算計画を策定しています。

3. 費用項目について

販売費及び一般管理費は1,910百万円(前年同期比11.1%減)を見込んでいます。

主な減少要因は、臨床診断分野に向けた製品開発に関する研究開発支出が、平成26年6月期(801百万円)及び平成27年6月期(795百万円)においてピークを迎えましたが、製品化に目途がついたことから支出が減少するためです。

研究開発支出を除いた販売費及び一般管理費につきましては、前期実績に基づき作成しておりますが、事業拡大に伴う人件費の増加等により、若干の増加を見込んでおります。

4. 営業利益について

当期の増収と費用削減により営業利益100百万円(前年同期は営業損失△320百万円)の計上となる見通しであります。

5. 経常利益について

営業外費用として、公募増資に係る費用と借入金の金利負担等を考慮して、経常利益は60百万円の見通しです。

6. 当期純利益について

当期純利益は、税負担を考慮して、25百万円の見通しです。

本資料に掲載されている当社の当期業績見通しは、本資料の日付時点において入手可能な情報による判断および仮定を前提としており、実際の業績は様々な要因によって異なる場合があります。

現在公表している業績予想に対して、有価証券上場規程405条及び同施行規則407条に定められた基準に抵触する水準のかい離が生じた場合には、速やかに修正した業績予想を公表いたします。

なお、平成28年6月期業績予想の前提条件に関しましては、以下のようなリスク要因があり、これらが顕在化した場合には、業績予想が未達となり損失を計上する可能性があります。

(1) DNA自動抽出装置及び特定の販売先等への依存について

当社グループの売上高の本装置への依存度は42.2%(平成27年6月期)と高くなっております。また、本装置はOEM販売(相手先ブランドによる販売)を中心に展開しており、その販売力に依存しております。特に、ロシュグループ、キアゲングループ向けの売上高が37.3%(平成27年6月期)を占めております。

平成28年6月期につきましては、前述のとおりアボットグループ、エリテックグループ向けのOEM販売の増加により、上記2社向けの売上比率は低下しOEM販売の相手先の構成比は変化しますが、OEM販売への依存度は8割程度と引き続き高くなると予想しております。

このため、OEM販売先の営業戦略や販売状況により、実際の受注がフォーキャストと乖離した場合には、重大な影響を受ける可能性があります。

(2) 臨床診断分野での利用を目的とした新製品群の事業展開について

当社グループは平成25年8月に3ヵ年の中期事業計画を策定し、臨床診断分野での利用を目的とした新製品群の事業展開により、事業規模の拡大とDNA自動抽出装置等への依存度低下を図っております。新製品群の中の全自動遺伝子診断装置「geneLEAD」につきましては、OEM先であるエリテック社との間で平成27年9月の市場投入が合意されました。

また当該装置で使用するDNA抽出試薬についても、大館試薬センターにおける生産体制を拡充しております。しかし新製品群の事業展開が当社グループの期待どおりに進捗しない場合や、今後当社グループが予想しない支出、投資などが発生し、当社グループの事業戦略が変更される又は経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 大館試薬センターにおける設備投資について

当社グループは、装置の組立て等を外注先に生産委託していることもあり、これまで大規模な生産設備を保有していませんでした。しかし新製品群による事業展開の一環として試薬の供給体制を拡充する必要性から、平成26年6月に大館試薬センターを設立し、さらに生産能力を増強するための投資を計画しております。

当社グループとしましては、販売先の需要動向をヒアリング等しながら、需要に見合う設備投資として慎重に行っていく方針であります。しかし試薬販売が当社グループの期待どおりに拡大しなかった場合は、稼働率が低下し固定費負担をカバーできなくなり、さらには固定資産の減損損失を計上するリスクがあります。

また、過去5期分の連結業績と期初の連結業績予想に関する情報につきましては、以下のとおりとなっております。

連結業績推移 (単位:百万円)

回次

第26期

第27期

第28期

第29期

第30期

決算年月

平成23年6月

平成24年6月

平成25年6月

平成26年6月

平成27年6月

売上高

3,142

3,520

4,029

3,921

5,143

経常利益又は経常損失(△)

△424

△173

△70

△826

△172

当期純利益又は当期純損失(△)

△366

△189

1,014

611

△215

期初の連結業績予想 (単位:百万円)

回次

第26期

第27期

第28期

第29期

第30期

決算年月

平成23年6月

平成24年6月

平成25年6月

平成26年6月

平成27年6月

売上高

4,400

4,000

4,100

4,573

4,500

経常利益又は経常損失(△)

160

30

30

34

△420

当期純利益又は当期純損失(△)

100

10

15

1,342

△440



・期初の連結業績予想との差異について

第26期 (平成23年6月期)

前期の第25期はOEM取引先の特需要因(新型インフルエンザ、日本の警察関係の一括納品)によるDNA自動抽出装置の追加受注により売上高5,637百万円、経常利益653百万円を達成しましたが、第26期はその反動による受注減の影響を受けて期初の連結業績予想を大きく下回る売上及び収益結果となりました。これら期初の連結業績予想との差異発生に関する主要因は、特定のOEM先への依存とその顧客ニーズの正確な把握が十分でなかったことによるものと考えられます。よって、その対策の一つとして、顧客ニーズ把握をさらに強化していくとともに、自社製品の直接販売も一層強化していく考えであります。

第27期 (平成24年6月期)

第26期のOEM取引受注減の影響を引きずり、期初の連結業績予想を下回る売上及び収益結果となりました。

第28期 (平成25年6月期)

ほぼ期初の連結業績予想通りの売上となりましたが、新製品の開発にかかる追加費用の発生により、当初経常黒字見通しは達成できなかったものの、当社子会社であるPSSキャピタル(株)が運営しているベンチャーファンド「バイオコンテンツ投資事業有限責任組合」の投資先である株式会社リプロセルの株式上場による特別利益(投資有価証券売却益1,502百万円)の発生により、期初の連結業績予想を大きく上回る当期純利益となりました。

第29期 (平成26年6月期)

新製品(エリテックグループ向け、アボットグループ向け)の装置開発の遅れと開発にかかる追加費用の発生により、期初の連結業績予想を下回る売上と経常損失となりました。第28期同様の理由による特別利益(投資有価証券売却益3,822百万円)の発生はありましたが、当期純利益の計上額も期初の連結業績予想比で大きく減少いたしました。

第30期 (平成27年6月期)

期初の連結業績予想としては、アボットグループ向けの新規OEM製品が順調に立ち上がり、エリテックグループからはOEM契約締結により手数料収入の獲得を見込んでいたため、売上高の増加と赤字幅の第29期比改善を見込んでおりました。結果としては、アボットグループとエリテックグループが予想通りの展開となった上で、キアゲングループ及びナノストリング社向けの販売が期初の予想を上回り好調に推移した事により、期初の連結業績予想を上回る売上高となり、経常損失及び当期純損失額も期初の連結業績予想と比較して改善しました。

以上

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